10年くらい前から富士山には毎年1〜3回ほどレースで登ったり、1人で登ったり、子供と登ったり様々な登り方で、計10回以上富士山に登ってきました。
そんな富士山に取り憑かれた僕が富士山の登り方を解説してみようと思います。
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富士山の登り方
富士山を登るといっても様々な登り方があります。「誰と登るか」「どこから登るか」「どのように登るか」。
富士登山には様々なバリエーションがあり、それぞれ経験した僕なりの見解で富士山の登り方を掘り下げいこうと思います。
これから富士山に登ろうと考えている方に少しでもお役立て頂ければ幸いです。
誰と登るか
富士山は誰と登るかで、楽しみ方やスケジュール、登り方などが変わってきます。
富士山は一緒に登るメンバーによって「どんな登り方にするのか?」を考えるのも富士登山の楽しみ方のひとつです。
ひとりで登る富士山
一人で登る富士山は自由気ままに、自分のペースで登る事ができます。僕はひとりで登る事が一番多かったのですが、それは思い立った時に登れるのが一番のメリットだったからです。
この写真のルートはほとんど歩く人のいない麓の裏ルート。「ウルトラトレイルマウントフジ」というトレイルレースに出た時にコースに設定されていたルートです。
この時はちょうど梅雨の時期だったので地面一面コケに覆われていて神秘的でふかふかのコケの絨毯を独り占め。
周りには全く人は歩いておらず、富士山を独り占めしているような感覚になります…。
ひとりで登る富士山は自分ペースで登れるので登山自体に集中できます。
途中でやめるのも、無理して登るのも全ての判断は自分自身。なので、途中で動けなくなってしまわないように無理のない範囲で楽しむ事が大切ですね。
友達と登る富士山
気の知れた仲間と一緒に登る富士山は楽しいものです。
ただ、人によって登るペースは様々ですし、途中で具合が悪くなる人も必ず出るので、独りよがりのペースで好き勝手に登る事は出来ません。
ペースが遅い人がいても焦らずゆっくり登れるように、心にゆとりを持って楽しむ意識が必要ですね。
人数が多ければ多いほど、体調を崩して登れなくなる人が出るので、そんな状況になった時に「全員で下山するのか?」「誰が付き添って下山するのか?」など
予め考えておく方がスムーズで楽しい登山になります。
そして皆んなが登頂できた時は喜びや達成感を共有できるところが良い点です。
子供と登る富士山
子供と一緒に登る富士山は色々な意味で疲れます…。
初心者にも登れる富士山ですが、日本一の山ですから登頂するのはそれなりにキツイです。一緒に登った人の中にはフルマラソンよりキツかったという人もいるくらいですから…。
で、今まで一緒に行った子供の大半は6合目辺りから必ずと言っていいほど「まだ着かないの〜!」と言い出します。1分おきくらいに…。
その間ずっと励まし、ごまかしながらずっと登っていくわけです。
我が家ではそんな感じで長男は小1、次男は年長、三男は年中の時にそれぞれ登頂に成功しました。子供たちはそれぞれ3回づつ登頂しましたが、3人揃って登頂したのは一度だけ。その時が一番大変でしたね…。
そんな中での登頂は一生の思い出です。おそらく三人同時登頂は後にも先にも最初で最後でしょうね。
子供と登る時の注意事項
子供は常に「まだ着かないの〜」「もうやだ〜」「頭痛い」「もう無理〜」と漏らしているのですが、本当に体調が悪くなっている場合があるので、そこの見極めは大切です。
無理して登らせても動けなくなって後で大変な事になるので、見極めだけは気をつけてください。
オシッコして復活
何回も登っていてある事に気付いたのですが、体調がいきなり復活する時があります。
その復活するタイミングはオシッコをした時。
全てケースに当てはまる訳ではありませんが、それに気づいてからは体調が悪くなった人には水分補給を進めて、オシッコすることを勧めています。
科学的な根拠はわかりませんが、それで復活するケースは結構多いです。
体調が悪くなったら水分をたくさん摂ってオシッコしましょう。
走って登る富士山
富士山には富士登山競争というレースがあるのですが、そのレースに出たりレースの練習で登ったりする事があります。
走って登るといっても実際には歩いて登っていますが、通常五合目から往復12時間くらいかかるところを走れば3時間くらいで戻って来れます。
日頃の走っている人や体力に自信がある方にはオススメの方法です。
どこから登るか
富士山には山頂に繋がる登山口は4ヶ所あります。難易度や山小屋の数など登山道によって異なりますが、初心者の方には山小屋が多い吉田口がおすすめです。
吉田口ルート(黄)
出発地 | 富士スバルライン五合目(標高2305m) |
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標高差 | 約1450m |
往復の距離 | 約14km |
所要時間 | 登り:6時間10分 下り:3時間30分 |
剣ヶ峰往復 | +1時間30分 |
吉田口は登山客が一番多く、山小屋も多いので初心者でも登りやすいルートです。
体力に自身の無い人は夕方から登山を開始して、途中の山小屋で1泊。ご来光を拝んで登頂を目指す登り方も人気です。(山小屋の予約は6月1日から)
吉田ルートでひとつ気をつけないといけないのは下山道が途中まで須走ルートと同じなので、途中の分岐点を見逃してしまうと、須走口に降りてしまうので注意が必要です。
富士宮口ルート(青)
出発地 | 富士宮口五合目(標高2390m) |
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標高差 | 約1350m |
往復の距離 | 約8.5km |
所要時間 | 登り:5時間30分 下り:3時間50分 |
剣ヶ峰往復 | +35分 |
富士宮ルートは山頂までの距離が一番短くて比較的登りやすいルートです。登山客も吉田口に比べると少ないので登りやすいルートです。山小屋も少なく、登山客も少ないので少し寂しいイメージを僕は持っています。
須走口ルート(赤)
出発地 | 須走口五合目(標高1970m) |
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標高差 | 約1800m |
往復の距離 | 約13km |
所要時間 | 登り:6時間50分 下り:3時間20分 |
剣ヶ峰往復 | +1時間30分 |
唯一登った事のないルートです。近い将来行ってみたいと思っています。
御殿場口ルート(緑)
出発地 | 御殿場口新五合目(標高1440m) |
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標高差 | 約2300m |
往復の距離 | 約17.5km |
所要時間 | 登り:8時間10分 下り:4時間20分 |
剣ヶ峰往復 | +35分 |
4つのルートの中で一番距離が長くて山小屋もほとんどなく、難易度の高いルートです。特に足元がふわふわの火山礫で足元が沈む区間が長いのでとにかく険しいルートです。
ただ下山時の大砂走りは走って下るとめちゃくちゃ楽しいルートです。
電車とバスで富士山に行く場合
各登山口まで電車とバスで行く事ができます。僕は今まで車でしか行った事がありませんが、都内から直通で登山口まで行けるバスも運行されているので、便利だと思います。
吉田口
富士急行線河口湖駅・富士山駅から登山バスを利用。または、バスタ新宿(新宿高速バスターミナル)より高速バスを利用。
須走口
JR御殿場線御殿場駅、または小田急線新松田駅(一部期間のみ)から登山バスを利用。
御殿場口
JR御殿場線御殿場駅から登山バスを利用。
富士宮口
R東海道本線三島駅、またはJR東海道新幹線新富士駅・東海道線富士駅・身延線富士宮駅から登山バスを利用。または、JR静岡駅より高速バスを利用(一部期間のみ)。
車で行く場合
車で富士山に登る場合はマイカー規制があるので、麓の駐車場の車を止めて、そこから登山口までバスがタクシーを利用する必要があります。
マイカー規制とは?
富士山の自然保護と交通渋滞解消のため、富士スバルライン(山梨県側)と富士山スカイライン(静岡県側)のマイカー規制が行われます。2019年は7月10日(水)17時から2019年9月10日(火)17時まで 連続63日間 ※御殿場口にはマイカー規制はありません。
吉田口 富士山パーキング(富士北麓駐車場)
富士北麓駐車場ー富士スバルライン5合目(吉田口)のシャトルバス大人往復2000円。(子供半額)富士北麓公園始発4:30。富士スバルライン5合目(吉田口)最終20:35
須走口 マイカー規制時乗り換え駐車場
乗換駐車場から須走口五合目までシャトルバスが運行されます。片道:1,190円 往復:1,800円。所要時間:約30分。登り:5時~20時 下り:6時45分~19時45分。混雑状況に応じ臨時バスを運行)
富士宮口 水ヶ塚公園駐車場
駐車場から富士宮口五合目までシャトルバスを運行します(有料。料金 片道:1,150円 往復:1,800円。所要時間:約40分。登り:6時~20時 下り:7時~20時40分。混雑状況に応じ臨時バスを運行)。
登山時のオススメアイテム
登山スタイルは人それぞれですが、これまで僕が登って来て、これだけは有った方がいいよ!と言うものをご紹介します。
雨具
当たり前ですがこれだけは絶対に必要です。どんなに晴れていても、急に雲の中に入ってしまい雨が降り出す事も。
7月上旬に行った時は山頂付近で雪混じりの雨に見舞われた事もありました。
そんな環境で雨具もなく濡れてしまったら大変な事になってしまうので、雨具(カッパ)は絶対に必要です。もちろん傘なんて使えませんからね…。
日焼け止め・サングラス
標高が1000m上がると気温は約6℃下がるのに対して紫外線は大気澄んでいると、約10%上がると言われています。
UV対策をせずに登ってしまうと、大変な日焼けをしてしまうので、日焼け止めとサングラスは必ず必要です。
マスク・ゲイター
特に吉田ルートの下山道は晴れている日には砂埃がものすごく舞って大変な状況の場合もありますので、マスクは念のため持って行った方が良いかと思います。
また、特に下山時は足が火山礫に埋もれてしまうので、靴の中に小石がたくさん入って来ますので、出来ればゲイターが有ると安心です。
ゲイターをわざわざ購入する必要はないので簡易的に済ませたい方はテーピングを巻いて対応するのでも良いと思います。
富士山に登る時の心得
初心者でも比較的登りやすいと言われている富士山ですが、日本一なのでそれ相応にキツイです。
高山病で吐いてしまったり、しばらく動けなくなってしまうケースは多いので、そういった状況を常に想定しつつ、無理のない範囲内で楽しんでもらえたらと思います。